卵子って老化するの?卵子老化のメカニズムと卵子アンチエイジング法

雑記

近年、増加の一途を辿る不妊治療。
治療をするにあたり、意外と知らないのが自分自身の身体のことです。
皆様、どれ位自分の身体の事、ご存知でしょうか?

こちらでは、排卵の仕組みに着目して卵子老化のメカニズムを詳しく解説いたします。

卵胞の成熟・排卵について

ご存知の方も多いと思いますが、
卵子が作られる、卵巣は子宮の左右に合わせて2つあります。

卵巣には、卵子の素となる「原始卵胞」が詰まっており、
女性ホルモンの作用によって、成長を始め、細胞分裂を
繰り返すことにより「卵胞」となります。

卵巣の中には卵子のもとになる「原始卵胞」が多数存在しており、その一部が脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン(FSH)や黄体形成ホルモン(LH)の作用で発育し、「発育卵胞」を経て「成熟卵胞」(グラーフ卵胞)となります。発育中の卵胞は、女性ホルモンのひとつであるエストロゲン(具体的にはエストラジオール)を分泌します。

引用元:https://ferring.co.jp/infertility/femalebody/

年齢によって異なりますが、一度に約20個程度、卵胞が成長をし、
その中でも最も成熟した1つ”のみ”から卵子が排卵されます。
残りの卵胞は排卵することなく消滅してしまうのです。

一回の排卵で消失する卵胞の数は年齢ごとに次の通りだと知られています。
20代で約1000個
30代で約500個
35歳で約100個
40代で約10個
1回の排卵で消費する卵胞は一つでは無いのです。

そして何故、卵子の数には限りがあるのかの答えは、
卵子のもととなる「原始卵胞」の数に隠されています。

生まれた時から決まっている「原始卵胞」の数とは

卵子のもととなる原始卵胞は、
女性がお母さんのお腹の中にいる胎児の頃に既に作られており、
その数が増えることはありません。
増えることがないと言うことは、減る一方という事です。

生まれた時の原始卵胞は、休眠している状態で、
数は妊娠5ヶ月〜6ヶ月頃の胎児の頃が一番多く、
約500〜700万個あると言われています。

しかしながら、出生後には200万個までに自然消滅し、
7歳には50万個、活動を始める思春期頃には20~30万個ほどになってしまいます。

何もしなくても、私たち女性は日々、
原始卵胞を消失し続けていることがお分かりいただけたかと思います。
また、卵胞の数が減ってしまう前に不妊治療や
ヘルスケアの改善をした方が良いことは、既に明白です。

次に、幾つの卵胞が残っているのか、具体的な数字をみてみましょう。

今、残っている卵胞の数の計算

原始卵胞の備えつけられている数は個人差がある為、
正確な数値は計算できませんが、概算の計算は可能です。

ここでは、活動をし始める思春期の頃の個数を「30万個」と
仮定して計算していきます。

30歳の計算例を示します。
(思春期の個数)-(10代の消費個数)-(20代の消費個数)=30歳の残個数
(300,000個)-(1,500個×12ケ月×10年)-(1000個×12ヶ月×10年)=36,000個

30歳の場合は約36,000個の卵胞が残っていることが分かりました。
計算が煩わしい人のために、計算結果を一覧で示します。

生まれ持つ卵胞の数は個人差があるため、正確な数を知りたい方は
卵巣の機能も併せて検査ができる「卵巣年齢検査」を受診することを
お勧めいたします。

排卵のメカニズムや生まれながらにしてもつ卵胞の数、
現在の残卵胞の数についてご理解いただけたでしょうか。

続いては、卵子の老化についてお話ししていきます。

卵子は老化するって本当?

卵子の元となる原始卵胞は生まれた時に一生分の
原始卵胞を卵巣内に備えているため、自分の歳と共に年齢を重ねます。
そして、備えている原始卵胞を使い切ってしまっても
新しく原始卵胞を作ることはできません。

ここで、余談になりますが男性の精子についてもお話ししましょう。
男性の精子のもとは卵子と違い、体の中で毎日作られ続けます。
基本的には何歳になっても精子を作る事ができます。
精子は毎日新しく作られ続けているので、
自身と共に年齢を取ることはなく、老化することはありません。

卵子は私たちと共に年齢を重ね老化をしていきます。
卵子の老化してしまうと、一体どのような事が起こるのでしょうか。

私たちの体の細胞は46本の染色体を持っていますが、
卵子や精子のような生殖細胞はそれぞれ23本の染色体を持っています。
受精し、受精卵となる事で46本の染色体を持ちます。

原始卵胞も初めは46本の染色体を持っていますが、
卵子となるまでに、46本から23本へ減少分裂が行われます。
それぞれ、第一減少分裂、第二減少分裂と言います。

年齢の増加に伴い、卵巣内で卵子が老化するとそれぞれの減少分裂の過程で、
染色体不分離の現象が起こり、いわゆる「染色体異常」が増加するのです。
そして、このような卵子は排卵・受精に至っても、
流産に至る可能性が極めて高くなってしまいます。

卵子の老化は、染色体異常を増加させ、不妊の原因となる事お分かりいただけたでしょうか。

卵子の老化の原因とは?

私たちが日々過ごす中で、老化をしていく事実は変えられません。
どれだけ努力をしても、タイムマシーンに乗って過去に帰る以外は老化に逆らうことはできないのです。

これは、卵子にも当てはまります。
生きている限り卵子も歳を取り、老化していきます。

現在、卵子が老化する詳しいメカニズムは明らかとなっていないようですが、
老化の原因の一つに卵巣の機能低下が挙げられます。
女性は35歳ごろから閉経の準備に入ると言われ、
卵巣の機能が徐々に低下して行きます。

卵子を作る卵巣の機能が低下することにより、卵子の数・質が共に低下してしまうのです。
卵子のアンチエイジングのためには、
卵巣の機能低下を防ぐ事がとても大切になってきます。
加齢による卵巣の老化はストップできませんが、
遅らせる事は可能かもしれません。

卵巣の機能低下防止には、女性ホルモン減少の対策が最も有効です。
卵巣は卵子を作る器官であると同時に、
エストロゲン、プロエストロゲンと呼ばれる
女性ホルモンを分泌する器官でもあります。

これらのホルモンは大脳からの信号により分泌されるため、
脳の生活リズムを整える事がより効果的です。
強いストレスや、不規則な生活は脳へ悪影響を及ぼし、女性ホルモンの分泌に悪影響を及ぼし、卵巣の機能低下を促進します。

卵子の老化を防ぐアンチエイジング法

卵巣の機能低下を防ぎ、卵子をアンチエイジングするためには、
ストレスを溜めないことはもちろんですが、
まずは朝方の生活を心がけ、朝起きたら太陽の光を浴びて体内時計を整えると良いでしょう。

食事は必ず3食取り、栄養バランスよく摂取する事が大切です。
特に大豆製品にはタンパク質が豊富な上に女性ホルモンと同じような働きを持つイソフラボンを豊富に含んでおりますので、積極的に摂取するのも効果的といえます。


まずは、生活リズムを見直し、体内時計を整える事が重要です。
無理をして夜更かしをしたり、ダイエットのために食事を抜いたり、運動不足だったりしていませんか。

そのような生活をしていると体内時計が狂い卵巣の老化に繋がります。
バランスの良い食生活、適度な睡眠時間、運動不足解消を心がける事がとても大切です。

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