学校で教えてくれない「お金」と賢く付き合う方法

雑記

お金について知識をつけて、賢く生きる

私たちが毎日生活するためにお金を使っています。
電車を乗るためには運賃を払い、お腹が減って食事をすれば代金を払います。
私たちの生活とは切っても切り離せない「お金」ですが、「お金」って何でしょうか?

小学校では当たり前に算数や国語を勉強しますが、私たちは社会人となり、「お金」の勉強をしないまま、いきなりお金と付き合うことになります。
そして、扱い方を間違えれば一生お金に追いかけられる生活を送ることになってしまいます。

こちらでは「お金」の賢い付き合い方をするために、「お金」について大切なポイントを3つ解説いたします。

お金の本質について

普段、生活をしていく上で必ず「お金」をもらったり使ったりしていますが、その本質をご存知でしょうか。
本質を理解するには、お金の成り立ち=歴史を学ぶ必要があります。

お金の歴史を学ぶ

お金の歴史は古くて、西暦683年作られた「富本銭」が日本最古のお金だと言われています。
その他にも古銭では「和同開珎」が有名ですよね。

近代では、一円は銀でできていたり、1円札100円札があったりしました。

時代によって呼び名や形は様々ありますが、日本のお金の歴史が大きく動いたのは、1871年新貨条例が制定された、金本位制からです。
金本位制では、金1.5グラム=1円と明確にお金の価値が決められ、金貨や銀貨、銅貨が発行されました。

しかし、出回る金・銀・銅の量が非常に少なかったこともあり、市場では一般人が使うことはかなり少なかったようです。
そこで、紙を貨幣(お金)とする紙幣が発行されるようになります。

当時はまだまだ紙幣の信用がなく、同じ一円でも紙幣と貨幣では価値が異なって扱われていました。
しかし、紙幣を金や銀へと交換できる「兌換紙幣」とすることによって、紙幣の価値が保証されるようになりました。
(株でいうとPBR1倍みたいなことです。)

こちらが実際に発行された兌換紙幣「日本銀行兌換銀券」です。

これを皮切りに紙幣が信用されるようになり、日本中に多く出回ることになりました。
その後、紙幣が増えるに従って、日銀は保有量をはるかに超えた量を発行することとなりました。

保有量以上の大量に刷られた紙幣が問題になったのが1942年のことです。
第二次世界大戦終戦の頃でしょうか。日本は戦争へ参加していたため、外国から金銀の輸入ができなくなってしまい、兌換紙幣制度が破綻します。
その後も、裏付けのない紙幣が大量に刷られ続けました。
そして、猛烈なインフレが起きました。

1945 年 8 月の敗戦から、1949 年初めのドッジ・ラインに至るまで、わが国は数
年間にわたって激しいインフレーション(インフレ)に直面した。日本の戦後イン
フレは、第一次大戦後のドイツや同時期のハンガリーほどではなかったが、それで
も 1934~36 年卸売物価ベースでみると 1949 年までに約 220 倍、1945 年ベースで
みても約 70 倍というハイパー・インフレとなった。

戦後ハイパー・インフレと中央銀行より引用

現在私たちが使っている貨幣はどうでしょうか。

現在、私たちが使っている貨幣は正式名称で「銀行券」と言います。
不換紙幣ですので、日本銀行へ持っていっても金銀には換金ができません。

これはあまり知られていませんが、「銀行券」は日本銀行が私たちが1万円を借りたことを証明する「借用書」です。
ですので、日本銀行の信用=紙幣の信用が全てです。
株式会社が破綻すると株券がただの紙切れになるのと同様、日本銀行が破綻すればが、たちどころに価値がなくなってしまうものです。

要するに、みんなが日本銀行を信用して価値があると思っているから取引が成り立っているということです。

お金の歴史を学んで見えてくるものは、お金は利用者からの信用によって価値が保証されているものということです。
これこそが、お金の本質です。

お金の性質を知る

お金の本質を学んだところで、次は性質の話です。
性質を知る上で重要な、「どのようにお金が発行されているのか?」をはじめに解説いたします。

日本銀行によるお金の発行の仕組み

ご存知の通り、紙幣は日本銀行により発行されています。
具体的に発行されるお金の流れを見てみましょう。

紙幣を作るにあたり、日銀は造幣局へ紙幣の印刷を依頼します。
そして印刷された紙幣が納品されます。
(ちなみに、この際紙幣は「お金」としてではなく「モノ」として扱われます。)
その後、「お金」として金融機関に受け渡されます。

まず、金融機関が政府が出している国債を買い取り、国債を受け取ります。

次に、金融機関が受け取った国債を日本銀行が買い取ります。
その買い取りの際に日本銀行券(紙幣)を使います。

このようにして市場にお金が供給されています。

日銀が発行するお金の量は年々増えている!?

お金の発行に国債が使われているということは、政府が国債を増やすほど、市場に出回るお金が増えていると考えることもできます。
(もちろん、ハイパーインフレを防ぐため発行量は調整しています。)
ですが確実に毎年毎年、市場に出回るお金の量は年々増加しています。

こちらが日本銀行券の発行高のグラフです。

日本銀行公開データより筆者が作成

綺麗な右肩上がりのグラフですね。

お金って「膨らむ」「増殖する」ものなのです。
発行量は調整されていますが、毎年確実にお金は膨らんでいて、ゆっくりとインフレが起きています。
(実際、土地の値段上がってたり数十年前と比べて物価上がってますよね。)

お金は、信用によって成り立っているので、当然発行量が増えれば価値が下がります。

ここで一つのわかることは、
「将来のために貯金している」なんてよく聞きますが、お金のまま持っていてもなんのメリットもないということです。
なぜなら、お金の発行量は増え続け、価値が下がり続けているからです。
お金として持っているだけで、損をしているということです。
(株で言えばずっと増資する会社の株を持つみたいな事です。)

お金は膨らむもので、持っているだけで確実に価値が下がり続けるものです。
これこそ、お金の性質なのです。

お金の価値を理解する

お金の価値ってなに?

昔は兌換紙幣で価値が保全されていましたが、不換紙幣の今、お金の何が価値なのでしょうか。
日々、私たちはお金と密接に関わりながら生活をしていますが、その本当の価値をご存知でしょうか。

今ではスーパーやコンビニに行けば、値札が貼ってありものの価値が明確に分かります。
それでは、値札かない場合はどうでしょうか?

筆者はコンビニでアイスやポテトチップスをたまに買っていますが、値札がなければ、どちらが高いか分かる自信はありません。
例えば、暑い日であればアイスの方が高くポテトチップスが安いと答えるでしょう。
どちらが高いかは、人によって異なってくるのです。

数字を見ることで初めて、誰の目からもお金の価値が明確になります。
また数値となる事で、初めて上がったり下がったり、大きい小さいを比べることができます。

お金の価値と、私たち社会の仕組み

また、お金の価値を理解するには社会の仕組みを理解する事も必要です。
もっと具体的に話をすれば、お金を稼ぐ会社の仕組みを理解する必要があります。

例えば、あなたが従業員を抱える企業のオーナーだったとしたらどうでしょう。
自分がより多くの報酬を受け取るためには、売り上げを伸ばしたり、利益率をあげたり努力をするのと同じで、従業員や経費の削減をしますよね。

従業員側から見れば、売り上げは伸びても給与には反映されず、大部分をかすめ取られて、給与を貰っていると言えます。

気になる人は、企業の決算書を見てみましょう。
会社の得た利益は、従業員ではなく、会社のオーナーに還元されていることが一目でわかります。
サラリーマンを悪く言うつもりはありませんが(むしろ尊敬している)、悲しいことに、サラリーマンはいつだって搾取される続ける存在なのです。

お金の価値を正しく理解するには、この社会の構造を理解することが第一歩だと筆者は考えます。

サラリーマンに向いていたり、中には好きでやっている人も勿論一定数居ますので、決して悪くは言いませんが、相当ピンハネされた給与で働いている、と気づくことが正しくお金の価値を理解する第一歩だと筆者は考えます。

まとめ

お金と賢く付き合う方法

これまでこちらでは、下記のことを学びました。

  • お金の本質を知る
    :お金は信用によって価値が保証されているものである。
  • お金の性質を知る
    :お金は膨らむもので、持っているだけで確実に価値が下がり続けるものである。
  • お金の価値を知る
    :お金の価値を理解するには、社会の仕組みを理解することが必要である。

ここから導き出されるお金の賢い付き合い方は人それぞれ異なり一概には言えません。

サラリーマンで搾取されるのであれば、搾取する側として起業する事も正解でしょう。
お金として持っていると価値が下がり続けるので、有価証券として保有する事も正解でしょう。
又は、企業の株を買い、オーナーになるもの正解でしょう。
お金の運用コストが高い、ローンは控える事も正解だと筆者は考えます。

お金は私たちの生活を豊かにしている一方で、付き合い方を間違えれば、一生ハンデを抱えたまま生きることとなります。
お金に対する正しいリテラシーをつけて、賢い付き合い方をしましょう。

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